こんにちは。逍遥館です。
今年も8/10~8/20の間、当館は夏季休館をいただきました。
とっても困った~、休まないで~という声が聞こえてまいります。
すみませんすみません……。
でも、休館中、図書館の中の人たちはずっと休んでいるわけではないのです!
(8/11-13は大学の一斉休業で本当にお休みですが。)
この夏季休館中にしなければならない仕事はいっぱいありますが、
その中でも一番大事な毎年の恒例行事が「蔵書点検」。
今回は、その蔵書点検を少しご紹介しましょう。
「ピコッ」
そもそも「蔵書点検」とは何かと申しますと、
図書館の蔵書が、帳簿通りに、あるべきところに
ちゃんとあるかどうか、実際に現物を点検する作業です。
お店でいう「棚卸し」ですね。
大学図書館の図書は、大切な大学の資産なので、きちんと点検して
報告することが義務付けられているのです。
ただし、大学図書館の図書はあまりに多くていっぺんには点検しきれないので、
京大では最長6年間で全体を一巡して点検すればいいことになっています
(「循環照合」といいます)。
うちの図書館だけでなく、京大の50近くある図書館・図書室は
みんなやらなければならない大仕事なのです。
さて、まずは蔵書点検の「準備」から。
1か月ぐらい前から計画を始めて、当日までに
・今年の点検範囲を確定する
・作業日程を決める
・作業ローテーション表を作る
・必要な道具、機器類を準備する
・作業手順のマニュアルを作る
という準備を終えます。
あんまりぎりぎりに用意すると、機器の不具合が
分かっても修理に出す時間もなく泣く泣く使えない……
(今年の実話)なんてこともあるので、早めの準備が肝心です。
なんとか準備が整ったところで、いよいよ当日。
中の人たちは、ひたすらもくもくと資料IDの読み取りに専念します。
静かな書庫の中に、IDを読み取るピッ、ピッという音が
リズミカルに響きます。
だんだん無心の境地に。
読み取ったデータはPCに転送。これが意外に時間かかる…
読み取り作業日が無事終わっても、蔵書点検担当者の仕事は続きます。
まずは読み取ったデータをまとめて、システム担当部署に送り、
図書の帳簿にあたる「図書原簿データベース」と照合してもらいます。
結果はなんとその日のうちに返ってきました。早っ!
照合結果に基づき、行方不明の本や、データにおかしいところが
ある本などを、掛全員で手分けして徹底的に調査します。
この調査に3週間ほどかけます。
この時に、これまでに行方不明で調査対象になっている本も、
もう一度網羅的に探します。
最終的に、今年初めて不明と分かった本と、不明になって
3年経過しても見つからなかった本のリストを9月末ごろに
とりまとめて、蔵書点検担当者の作業は終了です。
蔵書点検は利用者の方からは見えない地味な作業ですが、
図書館の本を守り、伝えていくには欠かせない大切な仕事なのです。
夏休みの間には、こんな仕事も中の人はやってるんです~、と
いうご紹介でした。 (Y)