今日も逍遥館 ~ 京都大学吉田南総合図書館のブログ ~

京大吉田南総合図書館にまつわる日々の話をスタッフが気の向くまま紹介するブログです

日本一楽しい図書館の黒板の描き方【テキスト編】

こんにちは、逍遙館です。

みなさまご機嫌いかがでしょうか。

今日も陽気な黒板担当のひとり、黒板娘です。

以前「誰得…?」と思いながらも書いた【イラスト編】が思いのほか各方面で好評で、国立国会図書館さんのCA-Eにも記事を掲載して頂きました。ありがたいお話。

よって調子に乗ってシリーズ化します。

 

今日は黒板に描いているのは絵だけじゃないぞ、というお話。

イラストを描いている日の黒板に注目が集まる傾向がありますが、実際はイラスト描いている日よりも、ゆるゆるとテキスト書いてる日の方が多い。

今回はより「日常的な」黒板作成過程をお見せできるかと思います。

 

①とにかくまっすぐ消します。

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この日は横書きの予定だったので、まっすぐ横に消します。縦書きをしたいときは行数を考えながらまっすぐ縦に消します。こうすることで消した後に残る白い線が罫線になりきれいに書きやすい。

でもまあ横書きは毎日書いているので、罫線なくてもまっすぐ書けるのですが…。縦書きはたまにしかしないので、注意しないとすぐ曲がる。

 

②テーマを決める。

この日は

 

・前期試験が終盤

・人によっては夏休みスタート

・人によっては前期最後の吉田南総合図書館

 

という日だったので、まあそんな感じで書こうと決める。

もちろん図書館でイベントがある日は告知を。オリンピックがあったりノーベル賞が発表されたりした日にはそれを。職員や利用者さまからのリクエストがある日は応えたり、などなど。毎日更新のメリットはその日もっとも「なう!」なニュースを取り上げられることです。

まあそんなこといいながら、本当に何もない日は黒板娘の家族の話とか、おいしいカレーのつくり方とか、図書館に全く関係ない内容も果敢に更新しています。盆に実家に帰ったら母に「(黒板への)出演料よこせ」といわれました。とりあえず焼酎で手を打ちましたので、今後も引き続き出演してくれるかと思います。

 

③日付を入れて、本文をガリガリ書きはじめる

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 テーマを決めたら、ガリガリ書き始めます。基本的に原稿はありません。どういうオチになるのかは書いている本人すら分かっていない。書き終わったときに初めて分かるという…。でもどれくらいの量を書くかということだけは決めていて、それによって文字の大きさと書き始めの位置・行間は微調整してます。「だいたいこういう内容ならこれくらいの位置から、この文字の大きさで書いていけばぴったりおさまるだろう」という書式が体にインプットされてます。経験あるのみ。

 

④右下ぴったりに本文をおさめる

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文末や文字の大きさを調整しつつ、右下できれいに終わるように書きます。

文字色は見やすさを考慮して、2色程度。会話文を書くときは登場する人数分、色分けしたりもします。なんだか意に反してシニカルな感じになってしまった(自分で書いたくせに)。まあそんな日があってもいいだろう。

ちなみになぜ引用がカミュなのかというと、そのころ当館でカミュの『異邦人』の読書会を開催していたからです。(黒板の隣には異邦人のポスターが設置されていた)そして自由がなぜ「京大生の朝ごはん」なのかというと、これが元ネタです。

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図書館の前には人間・環境学研究科棟という建物があるのですが、そのピロティ部分に現在このようなパネルが展示されていて、吉田南構内の界隈の人ならみんな知っている文言です。できるだけ利用者さまに近い事柄や「なう!」なことを盛り込むのがポリシー。

 

⑤タイトルをつけ、定位置に置いて眺める

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前述したように内容は書き終わらないと分からないので、タイトルを考えるのは最後(なのでタイトルこそが本当の意味でのオチなのかもしれない)。タイトルをふわりと書いたら、定位置へ設置。観賞します。大体なにかが間違っていますので修正したら完成です。

 

そのような感じで、実話を中心にゆるゆると身の回りのことを書いています。

何かイベントや学外からのお客様のある時は、黒板の前を通り過ぎる一瞬で視覚的にアピールする必要があるのでやはりイラストを描くことが多いのですが、なんてことない日の通常時なら、がっつり長文を書いても学内の方なら、立ち止まって読んでいただけますのでちょっとしたお話を書きます。

 

たとえば図書館中の時計が止まってしまった日は

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この日はTwitterでも反応があったのを発見。そして沢山のRT。ありがたや。

 

台風接近の日には

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 台風情報を超アナログに黒板でお知らせ。この前日も台風の進路を描いていたのですが、「しばらく黒板は台風情報が続くんですか?」という利用者さまからの大変さみしそうな投書が入れられたのでやめました。台風の日まで来館して下さる黒板ファンの方を悲しませてはいけない。

 

 また、本当にネタが思いつかなかった時には 

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図書館の中の人たちの出来事もたまーに書きます。もちろん「ちょっとでも何かすると黒板娘におもしろおかしく黒板に書かれて利用者のSNSで晒される」という恐怖感を同僚の皆様に与えない程度で…ですが…。中の人のエピソードを描くことで図書館に対して少しでも親近感を持ってもらえたらいいなーと思ってやっております。

 

他にもたくさん書いておりますが今日はこのへんで、また次回。

 

いかがでしたでしょうか?当館の黒板はテキスト、ときどきイラストを毎日更新しています。ネタがさっぱり思いつかないことも多々ございますので、黒板への要望やリクエストは歓迎しております。随時お寄せください(但し描き手がきまぐれなので応じるかどうかは機嫌次第です)。

また黒板は学外の方でもご覧になっていただける場所に設置しております。ご来学の折にはお気軽にお立ち寄りくださいませ。中の人が喜びます。

 

では今日も逍遥館より、黒板娘がお送りしました。

さて明日は黒板にどんな日常を綴ろうかしら。(K)

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