こんにちは、逍遥館です。
当館には、古今東西の古典を集めた「グレート・ブックス」コーナーがあります。
さらに!グレート・ブックス普及企画として、学内の方々に読書会を開催いただいています。図書館スタッフはサポートに徹し、読書会の中身には関与しないことにしているのですが、今回はこっそり潜入。読書会って何が行われているのでしょう???
<9月1日(月)>第2回グレート・ブックス読書会「異邦人」(2回目)
今回取り上げられた図書はカミュ『異邦人』。
『異邦人』は学生時代に読んで、心にひっかかったまま放置していた小説でした。これを機会に再読。
私が潜入した読書会は全2回の2回目。“不条理”については第1回で語り尽くされたようで、第2回では以下のような話題がでました。
・ムルソーが感情のある普通の人間であることの証左について
・1部と2部の違いについて(実際の行動と裁判での捉えられ方の対比、2部は太陽と海が出てこないなど)
・ムルソーの卵の食べ方について
・ムルソー及びカミュの結婚観、愛についての考え方について
・ムルソーが生活する土地・妻を取り換え可能な存在と思っていることについて
・社会とムルソーのズレについて
・ムルソーはなぜ殺人を犯したのか?(「太陽のせい」は正直な答え)
・裁判でアラビア人についての記述がほとんどないことについて
・作中での太陽と海について
・ムルソーとニーチェの対比について
・ムルソーにとって幸福とは何か ...などなど
読書会企画者・参加者からは『異邦人』への熱い想いが伝わってきます。想いの丈を詰め込んだレジュメも配布されました。作ってくれたのは1回生の学生さん!
自分はというと、読み込みの足りなさを痛感(> <)
写真は、本とにらめっこして、どう解釈するか悩む参加者の姿。
語る~♪ 語る~♪ おれーたち♪
分かったと思っていても、実はもうちょっと深い。読書会はそれを他の誰かと一緒に探す営みなのでしょう。
普段の生活で1冊の本について語り合う機会はなかなかありませんよね。1冊の本を囲んで、こんなにも生き生きしている学生さんたちの姿を見て、すっかり嬉しくなったのでした。
実は、図書館スタッフも、内輪・非公開のグレートブックス読書会を企画中でして、読書会進行の勉強もさせていただきました。ありがとうございました~。(A)
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読書会開催者も引き続き募集中です。誰かと一緒に古典を読みたいなという方、
吉田南総合図書館がサポートいたします。どうぞお声をおかけください。