今日も逍遥館 ~ 京都大学吉田南総合図書館のブログ ~

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バレンタインデー企画「愛の名言しおり」 bitter & sweet...

こんにちは。逍遥館です。

今年もバレンタインデー企画として「愛の名言しおり」をお配りしました。(2/10,12)

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昨年よりひとつ多い27種類。

中の人々が経験と妄想(?)に基づき選び抜きました。

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○例によって家内制手工業にて作成

 

お配りするカードを入れたのは、

去年は図書カード仕分け器、今年はリモコン入れと

ここにも廃物愛がひっそり炸裂しております。
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○可愛いでしょ♡(と自画自賛)

 

実のところなんの愛に関する名言でもよかったのですが、やはり恋愛関係に集中いたしました。

しおりを作りながら気が付いたのですが、総じて

「若手の中の人の選んだお言葉はビターで、

ベテランな中の人の選んだお言葉はスイートである」

のでした。

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どこが分かれ目かは論議が待たれるところです

 

では、しおりをもらい損ねた方や、

もらったけど他のはどんなの?という方のために

愛のラインナップを。

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最も多く愛する者は、常に敗者であり、常に悩まねばならぬ」(トーマス・マン) 

 "Love means you never have to say you're sorry"(エリック・シーガル)

切なる恋の心は、尊ときこと神の如し」(樋口一葉)

可哀想だた惚れたって事よ」(夏目漱石)

愛するとはお互いに見つめあうことではない。

   お互いに一つの方向を見つめることである」(サン=テグジュペリ)

いまでも愛とはすべてのものが 小羊のやうに

   寄り添ふことではないのかと思つてゐる」(小熊秀雄)

まったくこの愛というやつは どんな大きな過ちの言いわけにもなりうるのです

                          (セルバンテス)

恋するとき人間の心は不思議に純になるのだ。

   人生のかなしみが解るのだ。地上の運命に触れるのだ」(倉田百三)

さて何とせうぞ 一目見しおもかげが 身を離れぬ」(不詳)

 "They cried 'La belle dame sans merci Thee hath in thrall'

     -- 彼らは 叫んだ 「つれなき美女が おまえを 虜に するのだ」と(ジョン・キーツ)

如何なる場合にも、愛を知る人は、各瞬間、自分が何のために生きているかを

   知っている人である--この何かが実現されることがなくても」(ジンメル)

この人のためだったら命なんていらない、もう、死んじゃってもいい、そう思う。

   それが愛ってもんじゃないかい?」(寅さん)

失恋を忘れるには新しい恋が一番。早く次、行くことね」(川上弘美)

俺は恋愛の裡にほんとうの意味の愛があるかどうかという様な事は知らない、

   だが少くともほんとうの意味の人と人との間の交渉はある」(小林秀雄)

きみが歌う クロッカスの歌も 新しき 家具の一つに 数えむとする」(寺山修司)

だがどんな悲しみが来ようとも、あの人を見つめる

   わずか一瞬の喜びに匹敵するものはありえません」(シェイクスピア)

幸福とは愛することであり、また愛する対象へ、時としてわずかに心もとなく

   近づいてゆく機会を捉えることである」(トーマス・マン)

わたしの小鳥にしたい。

 でもきっと殺してしまうかもしれないわ、かわいがりすぎて」(シェイクスピア)

火にくべてみたれば同じ烟なり 誓ひしかみの嘘もまことも」(千鳥友呼)

社会の婚姻は、愛を束縛して、圧制して、

   自由を剥奪せむがために造られたる、残絶、酷絶の刑法なりとす」(泉鏡花)

例えば、午後四時に君がやって来るとする。そうなれば、

  もう三時からぼくは幸せな気分になりはじめるのさ」(サン=テグジュペリ)

小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を

   胸にしめて人の世の旅に登れ」(有島武郎)

愛のもたらす幸福は人間が味わいうる最高のものかもしれないが、

   めったに純粋ではない」(モーム)

愛は知の極点である」(西田幾多郎)

この先も出世しそうにないけどさ、こうしてひさしぶりに会ってみれば

   やっぱり君のこと好きだし、もう一度やりなおさないか(川上弘美)

相手が心を移せば自分も心を移すようなものは、愛ではない。

   そうだ、愛とは厳然と立って動かぬ灯台」(シェイクスピア)

きみはそんなふうに微笑してはいけない。いいかね、誰にだって、

   そんなふうに微笑して見せるものではないのだよ」(トーマス・マン)

     *リンクの出典は展示本に基づきますが、他にも収録されている図書はいろいろあります。 

 

シェイクスピア一人勝ちかと思ったら、意外とトーマス・マンが健闘。

昨年とはがらっと変わった感があります。

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しおりにあるのは、一部のことばを切り取ったものなので、

特に小説などの場合、前後を読めばまた味わいも違うかと思います。

気になったことばをクリックしたらネタになった本が出てくるので、

読んで見てはいかがでしょう。

 

ちなみに筆者はほぼ10年に一度「三四郎」を読む、

というケッタイなことをしています。

はじめは何考えてるんだかわからない男の子だ、と思っていたのですが、

だんだんわかってきた、というかこちらが齢をとったのかもしれません。

(彼は永遠に若いので)

今回しおりに入れた御縁で、また会いに行こう、と思っています。

 

                                                                                                          (mm)/

 

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