こんにちは。逍遥館です。
それは数か月前のとある休館日、職員ミーティングでの
誰かの発言から始まりました。
「バレンタインに何か企画したいですよね~~」
そこからおおいに盛り上がった話の内容はナイショ(笑)ですが、
最終的に、図書館らしく「愛の名言」を書いたしおりを
プレゼントすることに決定。
「恋じゃなくて愛です、愛!」とのボスのお言葉を胸に、
各自、名言探しにいそしむことになりました。
条件は、「当館に所蔵がある本の中から探す」
「しおりに載せられるぐらいの適度な分量」のみ。
それぞれ苦労しましたが、蓋を開けてみれば、紫式部、村上春樹、
シェイクスピア、ニーチェ等々、なかなかバラエティに富んだ
ラインナップとなりました。
名言探しと並行して、しおりのデザインもスタート。
ここで、我が館が誇るデザイン担当・Oさんに、
しおり作成の裏話を語ってもらいましょう。
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今回のお題は「愛の名言しおり」。ひな型として吹き出しを作り、
バックに一面ハートを並べたところまでは順調だったのですが…
スタッフみんなから募集したので、名言の数はどんどん増えていくわけです。
これは全部同じハート柄じゃつまらない… よし、水玉いってみよう。
はい次ストライプやってみよう!ここまできたらチェックもいきます!!と
ひとり盛り上がり(デザインハイ?)、色もピンクをベースに
配色祭をひとり開催。最終的に26種類作成しました。
これは一部ですが、ずらっと並べるとなかなか壮観。
ピンクだワッショイ!
広報物を作っていて困ったとき、頼りになるのは周囲からのアドバイス。
日本語の名言が多いので横書きは読みづらい…とのお声から
途中で縦書きに変更した他、最初はポスターもピンクだったのですが
コテコテすぎるというご意見からチョコレート色に変更。
シックな感じで担当者も気に入っています。
しおりを引いてくださったみなさま、良ければ使ってくださいね♡(O)
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いよいよプレゼント当日の2/12,13。
春休み期間に入って、来館者様が激減していたので
少し心配しましたが、一日目で当初準備していた分104枚は
ほぼなくなり、二日目分は急きょ52枚を追加。
引いた名言を見て「深いですね……」としみじみおっしゃる方もいて、
喜んでいただけたなら(そして活用?していただけたなら)
中の人も嬉しいです♪
さて、当日図書館に来られなかった方や、しおりはもらったけど
他の名言も知りたい!という方のために、今回プレゼントした
愛の名言を以下一挙ご紹介します!
どの本からの名言かは、それぞれクリックしてみてくださいね。
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- 節度を持って愛すのだ。それが永き愛の道。(シェイクスピア)
- 在天願作比翼鳥 在地願為連理枝 (天に在りては願わくは比翼の鳥となり、地に在りては願わくは連理の枝とならん) (白居易)
- I CRY your marcy ―pity―love! ―aya, love! (John Keats)
- 我我を恋愛から救うものは理性よりもむしろ多忙である。 (芥川龍之介)
- 愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない。 (エーリッヒ・フロム)
- 君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ (北原白秋)
- 愛の始まりは、そして愛を感じるたびに、それはいつも、一種の歓喜である。 (アラン)
- 熱意の欠除の主な原因のひとつは、愛されていないという感情である、その反対に、愛されているという感情はほかの何にもまして熱意を促進する。 (バートランド・ラッセル)
- 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば (大伴坂上郎女)
- 橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ (紫式部)
- 私のひと。私の虹。マイ、チャイルド。にくいひと。ずるいひと。 (太宰治)
- お前の脣はにがい味がする。血の味なのかい、これは……いゝえ、さうではなうて、たぶんそれは恋の味なのだよ。 (ワイルド)
- 愛とは愛を生む力であり、愛せないということは愛を生むことができないということである。 (エーリッヒ・フロム)
- 実を明かせば、恋愛は一昨日すでに息を引取った。本日あるところのものは「性欲に関する幻想」なんだよ。 (稲垣足穂)
- 愛する女に、かくかく美点があると確信するのは、ただ想像によるほかない場合である。 (スタンダール)
- いつまでも愛するとか、いつまでも憎むとか、いつまでも忠実であるとか約束する者は、自分の力の及ばないことを約束するわけである。 (ニーチェ)
- どんな愛にも静止というものは存在しない。 (ニーチェ)
- 自分自身以上に愛するものがあるとき、人は本当に傷つくのだ。 (ショーン (映画のセリフ))
- 愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。 (聖書)
- 滅びつつ秋の地平に照る雲よ涙は愛のためにのみあり (寺山修司)
- 草の笛吹くを切なく聞きており告白以前の愛とは何ぞ (寺山修司)
- 「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」 (村上春樹)
- The course of true love never did run smooth. (William Shakespeare)
- 愛が二人に芽生え、花を咲かせ、甘美な実を結ぶとき、相思の二人は互いに最初よりも魅力を感ずるようになるのである。(シュトラースブルク)
- 友だちだと思ってるんだ。友だちにしときたいから、君はくどかないんだよ。 (川端康成)
- お前が何處に遁れるか俺は知らぬし、俺の行手はお前が知らない。さぞ深く愛しただらう女なのに、さうとお前も知つてゐたのに。 (ボオドレール)
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いかがでしたか?
ちなみに、私の選んだ名言の一つは、万葉集の中の一首、
「恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば」
恋しくてようやく逢えた時ぐらい、優しい言葉が欲しい、という女心、
現代の私たちでも分かりますよね~。
みなさんも、気になる「愛の名言」があったら、
ぜひ元ネタの本を手に取ってみてください。
あなたのココロにぐっとくる言葉がもっともっと
見つかるかもしれませんよ。
みなさんが良き言葉と愛に巡り合いますように♡ (Y)